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Jasmine Cafe

Amebaから引っ越してきました。小児科女医のブログです。

「日本人の働き方の9割がヤバい件について」を読みました。

書評のようなもの これいい

このなかなかセンセーショナルなタイトルの本を読みました。

めいろまさん、谷本真由美著の「日本人の働き方の9割がヤバい件について」。

日本人の働き方の9割がヤバい件について

日本人の働き方の9割がヤバい件について

 

 目次(Amazonより)

●第1章 「働き方」に悩みまくる日本のサラリーマン
「働き方」=「自分の生き方」か? なぜかバカ売れする「自己啓発本」、日本で異様な人気の『ワーク・シフト』
欧州では『ワーク・シフト』はどう読まれているか? かつての日本では「働き方」の本は売れ筋ではなかった
景気が良かった頃の日本人は世界と未来を見ていた、昭和恐慌の頃よりは絶望していない日本人……etc.

●第2章 あなたが悩むのはニッポンの「働く仕組み」がおかしいから
実は仕事が大嫌いな日本人、日本人にとって仕事は重要ではない! ? かつては世界のお手本だった日本の働き方
日本企業を賞賛していたドラッカー、日本研究者が無視していること、日本は「世界の劣等生」
忠誠心を重視して新陳代謝が促されない日本の「カイシャ」、年功序列と終身雇用が生産性を奪っている
海外では職場を替えるのが当たり前、年功序列賃金は役所でさえ廃止される、日本人が仕事に不満を持つ理由
素人に仕事をさせては会社も本人も不幸になる……etc.

●第3章 働き方の激変はグローバルな潮流
世界的に拡大する格差、貧富の差の「3つの要因」と働き方の激変、働く場所の意味が消滅する世界
製造業の仕事は先進国で急速に減っている、「カイシャ」というシステムの終焉、会社員がローリスク、ローリターンだった

時代の終わり、インターンにさえ格差が広がっている、欧州の大学が英語での教育を急ぐ理由
誰もが「自分商店」にならざるを得ない時代、日本も「働き方の激変」にのみ込まれている……etc.

●第4章 生き残りたければ「自分商店」を目指せ!
働き方に悩む暇はない、仕事の未来を予測せよ、「人気企業ランキング」は参考にしてはならない、「渡り鳥」になれ
「職種の需給予測」を参考にせよ、グローバリゼーションが進む中で生き残れる仕事、生き残れない仕事のランキング
風が吹けば桶屋が儲かる」はグローバル化時代の仕事でも同じ、ロボットに置き換わる仕事を選んではならない
複雑な判断が必要な仕事はロボットにはできない、自動化が進むホワイトカラーの仕事
生き残るための仕事を選ぶノウハウ……etc.

●第5章 来るべき時代に備えよ
来るべき時代に備えるために、お金持ちのライフスタイルを参考にせよ、本当のお金持ちこそライススタイルは地味である
家族や友人を大事にする、投資と節税の勉強に時間を費やす、付加価値を生むものにお金を使う……etc.

 

まず、数値やグラフが多用されていて説得力があります。よくあるヨーロッパはこう、

海外はこう、それに比べて日本は…という本は「あなたの主観では?」と思うことが多く、

あまり手に取りたくないんだけど、この本は「本当に?」と感じてもそうとしか解釈が

しづらいデータや表が出されるので納得。

 

 

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読んでいてハッとしたのは、「年功序列は差別である」という考えです。(誤字も発見)

p079 「働いている期間や年齢で報酬に差をつけることは、転職してきた人や、出産や家族の

世話などでキャリアを中断することが多く、男性に比べて就労年数が短くなりがちな女性に

対する差別である」という訴えがイギリスでは政府機関に対してされたそうです。

その職場に長くいるかどうか、年齢がどうかというのは、その人の仕事の成果と全く関係が

ないことですもんね。私も、同一労働同一賃金であるべきだと思っています。公務員でさえ年功

序列が廃止されることになったと読み、日本もそうしたほうがいいんじゃないかと考えます。

実際、日本でも年功序列が採用されなくなっている様子も書いてあります。

 

 

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あと、第4章 生き残りたければ「自分商店」を目指せという章の「職業が自動化される可能性」

というp175の表。これからロボットやコンピュータに置き換えられ得る職業を選ぶべきでは

ないということが書いてあります。私の仕事、医師は0.4%という大変低い値。

医者はロボットに仕事を取られる可能性は低いのかもしれない。

でも、その医師の仕事の内容は変容せざるを得ないということを読んでいて考えました。

 

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患者さんの年齢、性別、症状、検査値を入れたら瞬時に考えられる疾患、次に行うべき検査、

フォローしていくべき検査項目が出てくるようなプログラムを作るのは、現在でも簡単なこと。

従来、医者は勉強し、トレーニング、経験を通してそういうことを各々蓄積して来ました。

でも、たくさん勉強してたくさん症例を知りインスピレーションも湧く医師とそうでない

リピーター医師がいて、患者さんが受けられる医療には差が生じます。

コンピュータにより医師の診断にバラつきを減らすシステムを導入したら、患者さんと医師の

双方にとって良いですね。暗算が得意な人も計算機を使います。優れた医者も確認ができます。

ある程度の診断と治療の流れは自動化されていくだろうし、そうしたほうがいい。

そうしても、外科系の医師が実際に手術、処置をすることはなくならない。

内科系でも、コンピュータが出したデータをもとに患者さんに説明し、ナラティブ

メディスンとする役割はロボットにはさせられません。また、データをもとに治療を行う

としても、誰が責任をもつかということが明確になっている必要があります。それは、

データ会社が全責任を負えないし、そういったシステムを導入した病院が責任者にはなり

得ない。「あなたの状態はこうです。だからこういう治療が必要です。」という説明なしに、

つらい治療はできませんね。データをもとに最終決定は、人間がするでしょう。

だから、医者は国の政策でこれから減らされようとしているけれど、仕事量と心理的負担は

もしかしたら少なくなるかもしれない。コミュニケーション能力のない医者はコンピュータに

取られて臨床の仕事がなくなるかもしれない。この本を読んで、皆さんも自分の仕事は将来どう

なりそうか、子どもが同じ仕事を同じようにできそうか、考えてみる機会になると思います。

 

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日本人がどう考えてどう働いてきたか、世界の潮流はどうなっているから日本もどうなるか、

ということがわかりやすく書いてある本です。英語は大事だし、もしも英語が好きじゃ

なかったら、書いてあったライフスタイルジョブを選んだらいいねと思いました。

私は自分の子ども2人がこの先、どういう世の中でどうやって働いていくかということは心配。

仕事をしている人、子どもを持っている人にお薦めです。

 

日本人の働き方の9割がヤバい件について

日本人の働き方の9割がヤバい件について

 

 

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