メルクマニュアルによると、「かぜは最もよくみられる病気の1つです。さまざまな種類の
ウイルスがかぜの原因となりますが、100の亜型をもつライノウイルスが関係することが多い
とされています。」と書いてあります。
ライノウイルスってどういうウイルスでしょうか?
ライノウイルスは、鼻、のどといった上気道の炎症をおこします。ライノウイルスは33度でしか増殖しないとされ、そのため通常ライノウイルスによる炎症は上気道に限局されます。潜伏期は短く1-3日です。頭痛・のどの痛み、鼻詰まり、くしゃみが起こります。水のような鼻水が出始めますが、次第にそれは濃いねばっこい黄色あるいは緑色のものへと変化し、量も少なくなります。通常、発熱はありません。軽い咳が少し遅れて出始め2週間近く続くこともあります。
鼻カゼ症状の最初の二日間に他の人を感染させる可能性が強いです。患者の咳によって生じた飛沫を吸い込んで感染したり、患者の鼻水中のウイルスが付着したものに触れた手で自分の鼻の中、口の中、眼に触れて感染します。手をよく洗うことが予防のために有効です。
人の体内に入ってしまうと深部体温は37℃くらいだから、体表近くにいるライノウイルスに
とっては33℃前後の上気道が快適なんでしょうね。これが暖かい〜暑い季節だと体表近くの
温度も上がってウイルスにとっては増えにくい温度になるはず。
猛暑日だと人にも辛いけどウイルスにとっても辛いんですね。
アデノウイルスも風邪の原因になることが多いんですが、こちらはあまり季節性がありません。
このサイトがアデノウイルスについてわかりやすかった。
インフルエンザが流行ってきました。インフルエンザウイルスも寒く乾燥した環境が好き
と言われていますね。このサイト↓は感染経路について詳しくてわかりやすいです。
ウイルスが乾燥した低温環境を好むというのに懐疑的な人↓もいるようです。
これ↓はタケダ薬品工業のサイト。「かぜのと時に注射をすると早く治る?」というQがあって、
否定しています。ベンザブロックも早く飲んでも治らないけど、それは書かないんだな。
結論として、どうして風邪は冬に多いかというと原因となるウイルスの増殖に適した環境に
なるからです。部屋を暖かくして、加湿器をつけましょうね。マスクはウイルスを通してしまい
ますが、鼻と口周囲の空気を温めて加湿するからいいんじゃないでしょうか?さらに、気道の
粘膜の働きが良くなるようにうがいをしたり、手についたウイルスを洗い流たりしましょう。