私は誤解をしていて、アメリカの学校・幼稚園・保育園は全て予防接種をしていないと入れないのかと思っていました。宗教上の理由や親の信条で、免除される州が結構あるんですね。
http://www.ncsl.org/research/health/school-immunization-exemption-state-laws.aspx
去年、持ち込まれた麻疹の大流行があったカリフォルニア州は、ワクチンを受けられない医療上の理由がある場合を除き、宗教上の理由でも親の信条でも免除することはしなくなったそう。
California Legislature Passes Strict School Vaccine Bill (日本語)
motherboard.vice.com (英語)
このニュースはもっと日本で話題になると思っていたけれど、今ブログを書こうと思って検索したら、ワクチン陰謀主義者やvaxxerのビル・ゲイツが人口を減らそうとしているとかイルミナティがどうとかそういう記事しか出てこなくてびっくりしました。
わざわざ言う人が少ないから敢えて言いますが、ワクチンは感染予防に有効です。
どの国でも複数の専門家が話し合って取り入れるワクチン、スケジュールを決めています。
ワクチン反対派は、どうやって陰謀画策や買収が可能だと思うのだろう?
厚生労働省が出しているものですけれど、それぞれの病気でどうなってしまいうるかが
簡潔に書いてあります。どの感染症に誰がいつなるかは選べないし、軽く済むか合併症を起こして亡くなるかどうかもわかりません。これを読んでもうちの子はワクチンよりも罹ったほうがいいなって思うかしら。
医療上の理由で予防接種を受けられない人は日本にもいます。子どもだけでなく大人でも。
Twitterで、ワクチンを打たないで周囲にも移すかもしれない人はテロリズム、殺人行為に等しいと言っている人もいました。本当に脅威ですからね。
大事なことなので繰り返しますが、誰がいつどの感染症になるかは予想できず、誰が軽症で終わり、誰が合併症で亡くなったり生涯、後遺症に苦しんだりするかはわからないのです。
そういったリスクよりもワクチンによる副反応のリスクが少ないから国々は定期予防接種をしています。ワクチン反対派の人達は結構、本を読んだりネットで調べたりしているようなんだけれどぜひ、反対派の本を読んだら賛成派(というか普通の)の本も一緒に読んで下さい。
普通の医学教育を受けて、正当な診療をしている医者は「自分の頭で考える」とか「自然治癒力を上げる」なんてことは言わないんです。個人個人の考えよりも歴史と統計と研究を利用するべきだし、自然治癒力じゃなんともならないから感染症は放っておけないんです。
ちゃんとした本の一例
- 作者: 薗部友良,NPO法人 VPDを知って、子どもを守ろうの会,小沢ヨマ
- 出版社/メーカー: 日経メディカル開発
- 発売日: 2012/06/28
- メディア: 単行本
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予防接種は「効く」のか??ワクチン嫌いを考える? (光文社新書)
- 作者: 岩田健太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/13
- メディア: Kindle版
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ついでにこれもわかりやすいから是非。
今週は、カテゴリー「少し医者らしいこと」ウィークになってきました。