もう、「予防接種BOOK」は読んでくださったでしょうか?
その中に「ワクチンは接種直後から効果があるの?」p140という項目があります。
小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK 疑問や不安がすっきり! (専門家ママ・パパの本)
- 作者: 森戸やすみ,宮原篤
- 出版社/メーカー: 内外出版社
- 発売日: 2019/09/21
- メディア: 単行本
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ワクチンの効果はどうやって確かめると思いますか?
「ある有名なマンガにこんなシーンがあるんです」と本書で紹介したものに、今回イラストを付けました。
(マンガの作中の)研究者が自身の開発したワクチンの効果を確かめる際、自分にワクチンを投与し、ウイルスを噴霧しました。ウイルスの潜伏期間である24時間が経過するまで無菌室で「ワクチンの副反応」のために息も絶え絶えになり喀血し、
ウイルスに感染することなく24時間が過ぎた瞬間、「ワクチンの効果があった!」と叫びます。
ある有名なマンガに出てきたエピソードです。
風呂敷を広げるのがうまい漫画家さんなので、楽しく読んでいたんだけど…
ないわーと興が冷めました。
ワクチンの効果を確かめたって言ったって、n=1じゃん。
ワクチンの効果を確かめるには、普通少なくとも数十人以上のワクチンをした人たちと数十人以上のワクチンを受けた人を比較して、病気のかかりやすさを検討するんです。
詳しくは本書p76で宮原先生が書いています。
Welq以降、医療に関する記事は医師が監修することが増えました。医師がただ名前を貸すようなものではなく、ちゃんとチェックするようになったんですね。創作にも、校閲とか医療監修者が入ってほしい。
私はリング、ラセン、ループも大好きだったけれど、怪力の胎児が出てくるところで現実に引き戻されました。
在胎22週未満だとまず、皮膚が出来上がっていないのでゼリー状の肌はとても脆弱です。そして筋肉もほとんどないし、神経も発達していないから歩けない。眼裂もできていないので目が開きません。眉毛も睫毛もないし。
それでも、怪力を持ってるなんて…超能力だから?超能力って便利。
それとヒロインの重要な秘密である病気。小説の描写を読んでいて「それはそういう症状じゃないんだ…」という方に気を取られ、物語を追えなくなりました。
他の作家のある小説は、死んだ双子の一方がもう1人の頭の中に入っているという設定。頭に他人の死体があるっていう表現でした。たぶんピノコのような奇形腫ですね。ピノコも姉妹という設定だったけれど、そもそも奇形腫の中身は他人のものではなく本人のものではないか。何を持って他人とするんでしょう?奇形腫の嚢胞内に別の脳があったら他人?そして、死んでいるか生きているかの定義は?頭の中に入っている組織が血流をもらって壊死しないでいたら、それは生きているのでは?
そういう訳で、結論が思わぬところに行きましたが、創作で医療監修が必要な場合はご連絡ください。
10月17日にウィメンズヘルスリテラシー講座、宋先生と対談します。対談が終わったあとに懇親会もあるので、ぜひいらしてくださいね。