感染症のニュースと画像

ヨーロッパ、とくにイタリアで麻疹(はしか)が流行しているようです。 これはワクチンに対する誤解やデマが蔓延した結果、麻疹ワクチンの接種率が下がって感染する人が増えたんですね。

今日はそのニュースを伝える際のイメージ画像について。それぞれのリンクは読んでもらってもいいし、サムネイルのイメージを見るだけでも大丈夫。

 

www.j-cast.com

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だいたい、こういうふうに注射器を写すものが多いですね。↑これはバイアルからワクチン液を吸い出しているところ。

 

この ニュースを伝える記事で、この写真は酷いなと思ったのが↓これ。写真だけ見たら「うわ、子どもがかわいそう」、「注射は痛いから嫌だな」と感じてしまう人が多いのではないでしょうか?文章は、MMR自閉症の関連はない、ウェイクフィールド氏は問題のある論文を発表して撤回させられたということを伝えながら、イメージがこれでは内容と画像が乖離している。これを見て「自分の子どもにもワクチンを受けさせなきゃ!」って感じる人はあまりいないのでは?

www.afpbb.com

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ワクチンを受けることは災難ではありません。麻疹にかかると適切な医療を行っても麻疹脳炎になる確率が1000人に1人。ワクチンのいっときの痛さ<<<<<脳炎のつらさです。もちろん、人工呼吸管理されて脳低温療法をしている麻疹脳炎の子や麻疹肺炎で酸素吸入をして点滴をされている子の写真を使うわけにいきません。でも、注射をされて泣き叫ぶ子の写真はあんまりです。

 

benesse.jp

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ベネッセを例にとるとこの写真はいいですね。子どもも医師もニッコリしていて、見る人は予防接種への抵抗感を感じることは少ないでしょう。モデルさんの写真です。

 

benesse.jp

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同じベネッセでもこれはよくない例。注射器に何も入っていないしキャップがついているところから、これもモデルさんでしょう。ただの撮影だよと言われていてさえ、注射器を自分に向けられたら子どもは怖いものです。この男の子は演技でなく本当に怖がっているのではないかな。

もっと酷い写真も見たことがあります。おそらくフリー素材。説明してもわからないくらい幼い子どもは恐怖に顔を歪めて涙を流し、医師役と母親役の大人は笑っている写真。これは職業倫理的にどうなのかなと感じました。大げさかもしれないけれど、虐待になりませんか。

 

 

そもそも、感染症のニュースに注射器のイメージが必要でしょうか?バイアルを写真に使うと特定の製造業者を推しているように見えるかもしれません。そのためか、ありえない注射針の太さ、実際にはない毒々しい色の注射液とその量をイメージ画像で使っているものもあります。怖いだけだって。さらに怖がる子どもの顔って、ワクチンの大事さを映像資料が毀損している。

 

こういう方がいいなというイメージ画像の例。

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情報量も多くてイラストも格好いいですね。以下全部、FacebookページのRefutations of Anti-Vaccine Memesのものです。https://www.facebook.com/RtAVM/?fref=ts日本語にしてみました。

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これもかわいいし、免疫についてもざっくりわかりやすい。

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これはゆるキャラが日本人にとっては可愛くなさすぎるw。でも、視覚的にワクチンの効果をわかりやすく説明しています。今回のイタリアの話だったら、麻疹のところだけ使ってもいいんじゃないかな。

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何度か出しているこのイメージも最高です。集団で多くの人がワクチンを打っている必要があることが直感的にわかります。

ameblo.jp

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www.asahi.com 

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薬物依存の怖さを伝えるニュースだったら、注射器のイメージを使ってもいいと思う人もいるかも知れないけれど、依存症の患者さんにとってよくないのです。松本俊彦先生の記事に詳しい。治療中の患者さんの再使用スイッチを押してしまうので、やめてほしいという話。natgeo.nikkeibp.co.jp

 

以上、注射器をイメージ画像としてニュースに使ってほしくないという話でした。ナショナルジオグラフィックの記事にあるように「薬物依存(ワクチン)…?おーいあの注射の映像資料とって来い。」みたいな安易な使い方をしている記事を見たら、ちょっと思い出してほしい。

ムンプスワクチンを勧めたら

2017年現在、任意接種になっているおたふく風邪ワクチンですが、任意というのは「受けても受けなくてもどっちでもいいよ」という意味ではありません。

先進国ならどこでも、受ける予防接種の1つ。先進国じゃなくても、ほとんどの国がおたふく風邪ワクチンは乳幼児が受けなくてはいけない予防接種の1つです。

 

なので、先日私のところのナースが患者さんのお母さんに「次はこれを受けたらいいですよ」と勧めたところ、予診票のこれを見て怖くなってしまいました。

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「私が小さい頃にかかったときには軽かったから、予防接種でこんなことになるかもしれないなら、かかったほうがいいような気がします。」って言ったそう。ナースがどうしたらいいでしょうと相談に来ました。

 

 

実は、かかってしまった時の合併症のほうが、ワクチンの副反応よりも頻度は高いんです。なので、表にまとめてみました。

 

 

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出典は国立感染症研究所HP、北里第一三共おたふくかぜワクチン添付文書、MSDマニュアル、厚労省HP 

「頻度不明」というのは、報告はあるけれど少なすぎて頻度を計算できないというくらいの意味だと思ってください。

 

 

今度また、そのお母さんが来院したらこれを見せようと思います。

感染して軽く済む可能性<<ワクチンの安全性 なんですよ。

 

画像はどなたでも使ってもらって構いません。

実は面長

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校帽のゴムがビロビロになっちゃって、しかも片側が切れちゃったので付け替えます。

ゴムの長さを当てながら確かめていたら、beeちゃんが言いました。

 

 

 

 

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「beeの顔は丸顔?横顔?ヒラメみたいな顔?」

 

 

 

 

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その選択肢、おかしいね?

beeちゃんの顔、実は面長なのでどれでもなかったのでした。