「数年前の話だけど、どうして糖尿病の子どもにインスリンを打たないで死なせてしまうなんてことが起こるのかしら…」と義理の母が言うので、
「それは、小さい子に血糖を検査したり、インスリン注射をしたりなんて、かわいそうでやりたくないと普段から思っていた人に、“そんなことしなくていい”って言う人が現れると、信じたくなっちゃうんですよ」
と説明しました。トンデモやニセ医療が心の隙間に入り込んでしまうんですね。
大学の同級生で内科医、地域で夜の救急当番をしている友達が、「なんで小児科って“熱が出た”ってだけで夜中に来るの?家に解熱剤があっても救急外来に来るよ」と聞くので、
「それはさ、心配なんだよ」と答えました。
医療ネグレクトも軽症でのコンビニ受診も、以前の私なら一番に問題だと思って怒っていたところなので、
「やすみちゃん、どうしたの?」と言われました。
「小児科医を20年もやってたらわかるよ」
10年以上臨床で小児科医をやっていたら、当事者に憤っても仕方がないことは実感すると思います。
最前線の医師個人が消耗するのではなく、国として時間外労働や医療を受ける側の人たちの不安解消を考えてほしいです。
なので、 #上手な医療のかかり方 の記事はいいですね。厚労省は積極的にこういった活動をすることによって、医療費が軽減するインセンティブがあるし。
私自身がブログや本を書くインセンティブの一部は、外来で一人一人に初めから説明しなくてすむということです。
こないだのキャベツ枕・キャベツ帽子の続編を書きました。こういった医学的に根拠のないことを言う人達のインセンティブは、なんなのでしょうか。お産・育児で疲れて困っている人から搾取するのはダメです。
ちゃんとした助産師は多いし、民間療法を行う母達が悪いわけではもちろんありません。でも、これは気の毒すぎるでしょう。