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「昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか」を読んで

 この本を読みました。とっても面白かった。

昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか

昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか

 

 

目次(楽天ブックスより)

昔の老人の人生ー昔話と古典文学が伝える貧しさや孤独という「現実」

昔話の老人は、なぜ働き者なのかー「爺は山で柴刈り、婆は川で洗濯」の背景

昔話の老人は、なぜ「子がいない」のかー「わらしべ長者」のルーツを探る

家族の中の老人の孤独ー「姥捨て山」説話と「舌切り雀」の真実

古典文学の中の「婚活じじい」と「零落ばばあ」-平安・鎌倉期の結婚事情

昔話に隠された性ー「浦島太郎」が竜宮城に行った本当の理由

古典文学の老いらくの恋と性ー『万葉集』から『東海道中膝栗毛』まで

古典文学の中の「同性愛」の老人たちー爺と稚児、婆と美女の物語

昔話は犯罪だらけー老人たちの被害と加害

自殺や自傷行為で「極楽往生」?-昔話の往生話と平安老人たちの「終活

老いは醜いー昔話の「姥皮」と大古典の老人観

閉塞状況を打開する老人パワーー古典文学の名脇役たちと、棄老伝説

「社会のお荷物」が力を発揮する時ー昔話はなぜ老人が主役なのか

昔話ではなぜ「良い爺」の隣に「悪い爺」がいるのかー老人の二面性と物語性

昔話はなぜ語り継がれるのかー『源氏物語』の明石の入道・尼君夫妻が子孫に伝えたこと

昔話と古典文学にみる「アンチエイジング」-若返りの目的はさまざま

実在したイカす老人ー成尋阿闍梨母、乙前、世阿弥上田秋成、四世鶴屋南北葛飾北斎、阿栄

 

 

いつものように著者が膨大な文献から、昔の人達の様子を教えてくれます。

記録のあるおよそ千年前、確かに乳幼児死亡率などは高かったものの

生命の危機を乗り越えると人々は意外に長生きだったそう。

つまり老人の絶対数が、そこそこ多かった。

そして、福祉が乏しかったので歳をとっても働かざるを得ず、山に芝刈りに行ったり、

川へ洗濯に行ったり、大晦日なのに笠を売りに行ったりしなくてはならなかった。

たくさんいた社会的弱者である老人が、一攫千金で豊かな暮らしに!という明暗、

メリハリ、ギャップが昔話のキモの1つだったんですね。

 

 

そして、私が知らなかったのでとても意外だったのは、結婚をして家庭を持つことは

みんながしていたわけではないということ。

p49、17世紀には全世帯の三分の一が下人と呼ばれる人を抱えており、人口比では13%が下人という

人々だった。その過半数は結婚しない。下人ではない87%の人達も既婚率は38-61%だそう。

18世紀になると下人人口は7%になり、既婚率もあがるけれど下人じゃない人たちも52-77%

で100%にはだいぶ遠い。

都市部の幕末でも江戸で、人々の既婚率は男50%、女59%だったそう。

半分くらいは結婚しないで生涯を終えるんですね。

……ねえ、伝統的な家族っていつの時代のどこの人達を指すの?と思いました。

だって結婚すること自体、都市部では半分の人しかしていなかったんだから。

 

 

 

 

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「俺はもう、妻子がいる!」と言う友人が結婚したのは去年。晩婚だけど結婚できてよかったね。

 

 

 

 

離婚率も高くて、平安時代なんて三日通えば結婚成立、半年男が来なければ離婚成立だし、

江戸時代でも武士の11%が離婚、再婚率58%ですって。

明治時代の人口千人当たりの離婚率は3.39、平成26年のは1.77。

あれー?離婚率って現代の方が少ないのねって思いません?

 

 

伝統的価値観に基づく子育てを提唱する親学って、こんなに結婚率も低く、

離婚率も日本は伝統的に高かったことはどう考えてるのかなーと思いました。

現代の子供を取り巻く環境の変化から発達障害が増えたって言ってるんだよね? 

╮(•́ω•̀)╭

 

 

 

他にも仏教が発祥し日本に渡るまでに、その教えはほとんど変容してしまったんだなーと

いうブッダもびっくりな平安時代の仏教信仰の様子が興味深かったです。

本当の仏教は、スリランカとかチベットに残るだけなのか。

日本にあるのは別物です。

私は、スマナサーラさんの本にあるような心の科学としての仏教が好き。

 

 

 

 

ameblo.jp

これもとっても面白かった大塚ひかりさんの↑本。

 

 

 

 

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