ゴールデンウィークが終わってしまいましたね。その最中にもはしか流行し、沖縄からいろいろな地域に広がっています。今日は、どういう人がハイリスクなのかという話。みなさん、自分が西暦何年生まれなのかを考えながら読んでいただけると嬉しいです。
麻疹ワクチンの定期接種は1978年10月に始まりました。それ以前に生まれた人はワクチンを1回も打っていな可能性があります。
麻疹・おたふく風邪・風疹混合(MMR)ワクチンが開発されて、1989年4月から1993年までMMRワクチンを定期予防接種にして便利だったのですが…
無菌性髄膜炎などの副反応があったことから、1993年4月以降は麻疹ワクチン単独に戻り、
2006年4月から麻疹・風疹混合(MR)ワクチンが定期予防接種。同年6月から2回接種になりました。1歳の誕生日から2歳になる直前に受けるのが第1期。小学校就学前の4月から3月31日までのが第2期です。
現在のMRワクチン2回法を受けていれば、麻疹ウイルスに対して十分な抗体が得られます。でも、こんなにいろいろな変更があったので、以前のやり方で予防接種を受けている人はもう一度麻疹ワクチンあるいはMRワクチンを受ける必要があります。
特に40歳以上の人は、一度も麻疹ワクチンを受けていない可能性があり要注意。MRワクチンの2回接種が定期になった後の2007年、1回接種だった10ー20代と未接種者の間で麻疹の流行がありました。厚労省が対策を立て、1994年以降の人でも第3期、第4期という名前で麻疹ワクチンを2回受けるようにしました。ご自分やお子さんの母子手帳で確かめてみましょう。
現在の都道府県別、第2期接種率はこんな感じ。右から二番目の列を見てください。濃いオレンジ部分のように95%以上あれば感染の蔓延は防げるので、達成まではもう少し。お住いの都道府県はどうですか?
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/dl/170922-04.pdf
これ ↑ は第2期接種を受ける年齢(5ー7歳)の子どもに限った話です。
前述のように、1978年以前に生まれた人は1回も受けていない可能性があります。1979-2006年生まれの人だって、必要なあと1回を受けていないかもしれません。
大人の抗体保有率やワクチンの接種率を調べた統計はありません。わかるのは感染した患者さんの年齢から、子どもが減り大人が増えていること。
国立感染症研究所 麻しん累積報告数の推移 2012~2018年 (第1~15週)は、毎月発表されます。今は沖縄がすごいですね。
https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/measles/2018pdf/meas18-15.pdf
1ページを拡大しました。圧倒的に成人の感染者が多い。
麻疹に感染したら仕事を1週間は休まなくてはいけないし、麻疹感染後は2ー3年間免疫機能が落ちることが知られていて、一度かかったはずの水ぼうそうにまたかかることもあります。なにより、麻疹にかかると物凄くつらいです。インフルエンザよりも入院することが多く、死亡率も高いのです。
大人の皆さんこそ、MRワクチンを打ちましょう!
この記事のタイトルは私がレキシファンだから。
Wezzy、小児科医ママのきほんのき更新しています。
ゴールデンウィークで告知を忘れていたのでこちらも。