『遙かなる甲子園』を観て
『遙かなる甲子園』をponちゃんと観に行きました。
とても面白かったし感動しました。
詳細な様子はこちらの記事をご覧ください。私は感想を書きます。
観劇するときには写真を撮らなかったので、hand in handの可児さんにもらいました。
始まりと終わりに「風疹をなくそうの会 hand in hand」の人たちが、どうしてこの舞台の開催をしようと思ったかなどお話してくれました。
左の男性は、手話通訳をしてくれています。
観劇中はセリフが一部手話だし、右横には字幕が出るので聞こえづらい人も楽しめました。
アメリカ占領下の沖縄、甲子園に行った高校生が持ち帰った土を検疫で捨てられた話は酷かった。それなのに、米軍が持ち込んだ風疹のために先天性風疹症候群の子どもが1965年に400人あまり生まれます。
1969年に初めてアメリカで風疹ワクチンが導入されたので、それ以前に予防手段はなかったんですね。1964年にはアメリカ本土でも風疹が大流行し、その年だけで先天性風疹症候群は2万人だったそう。 2千人でもなく2万人って酷いです。今はワクチンがあって本当によかった。
元気な子がスポーツ大好きなのは、耳が聞こえようがそうでなかろうが自然なことです。でも、野球をやりたい、他校と試合をしたい、甲子園に出たいという道は険しく、苦難の連続です。劇はとても楽しいし笑ってしまうところがたくさんあるだけに、主人公たちが理不尽な目に遭うとつらかった。
ponちゃんがまったく身動きせずに観ているので、「あれは寝てるのかと思ったよ」と言ったらすごく怒られました。「ハイキュー」というマンガを今、読んでいるponちゃん。その主人公たちは、全国大会で勝つという目標に向かって頑張っているのに、このお話はそのずっと手前からいろいろな壁があるんだ!と驚いたそうです。
風疹についてponちゃんは理解したし、先天性風疹症候群の症状もずっとこの先覚えているでしょう。
観ている時にカモ君が近くにいたんだけど、涙腺が潤んでいたようです。よかった、涙が流れそうなのは私だけじゃなかったと思ったら、BuzzFeedの岩永さんは観ながら記事を書けないくらい泣いていたそう。そのくらい素晴らしかったです。
ただ、興味深いお話を観て、それでお終いではないのが現実の厳しいところ。舞台を観に来たのは知識を既に持っていたり、関心が高かったりする人たちです。ぜひ、風疹の流行制圧と感染予防のため、身近な人達にMRワクチンを勧めたい。
現在の流行の収束と接種率上昇・維持ができて初めて、『遥かなる甲子園』は感動的なだけのエンターテイメントになります。今はまだ、感染症の怖さと予防接種の大切さを広めるという意味あいもあるお話。
観に行かれなかった方は、夏に埼玉県でも公演があるようですし、マンガもありますよ。
風疹だけのワクチンは、今後製造されなくなります。ぜひ、MRワクチンを受けましょう。2019年3月現在、麻疹も流行が拡大しています。
今、Kindleでしか販売がないようです。