何でも母のせいにしがち

「背中に広がる異所性蒙古斑」というある写真のコメントが気になり、webで調べました。背中とお尻にあるのは普通の蒙古斑で、それ以外が異所性と呼ばれると思っていたので。

そうしたら、背中の下部と臀部以外にあるものはみんな異所性と呼ばれるらしい。ネットで調べていて、( ´・∀・`) ヘーと思ったのでした。

それは小児病院皮膚科の馬場直子先生がお書きになっているので勉強になったんだけど、辿り着く途中で「蒙古斑なんて可哀想、そんな体に産んでしまって申し訳ない。」というあるお母さんの書き込みを読んだのでした。 

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……あのー、蒙古斑って日本人の98%以上にあります。次第に薄くなって成人になると4%にしか残らないし、レーザー治療できます。

本当に母というものはなんでも自分のせい、申し訳ないって思うものだなと改めて思いました。

 

普段の小児科診療をしていてもそう。「少し黄疸が強めに出たので光線療法をしましょう。」と病棟で言っては「可哀想、(こどもに)ごめんなさい。」と泣かれ、「お風邪でしょうね。」と外来で言っては「私が昨日、寒い思いをさせたから。ごめんなさい。」と言われる。

そんな訳、ないでしょう。黄疸は黄色人種に強く出やすく、ひどいと核黄疸の原因になり得るので治療しますが、スーパーオキサイドを中和するために必要があってビリルビンは上昇するという説もあるくらい軽度ならむしろ生存に有利なのかもしれない。風邪は寒いだけでは引きません。

原因となるウイルスが体内で増えたから起こるので、無菌室や陰圧室で生活しているのではないお子さんは必ず風邪を引きます。感染症に一つもならず成長することはまずないでしょう。

どれも、お母さんのせいではありません

 

そう思っているところに、働く母の子どもは就寝時間が22時以降になるため風邪を引きやすいんじゃないかという必要以上に罪悪感を持たせるような話を朝、読んだことを思い出しました。

mamapicks.jp

元のナショナルジオグラフィック日本版はいいんですけど、この中の母同士の会話がもう!

働く母親にどんだけ罪悪感をもたせるのか。

遅くに寝ると病気になる=罹患率が上がるというなら、エビデンス3以上の証拠を持って来てほしい。そうでなかったらただの誹謗中傷で名誉毀損でしょう。

 

私は本を書く際に改めて調べたので神山潤先生の論文を引用していますが、まちまちな時間に就寝したり、夜遅くに外出することが週に何日もあったりすると問題行動につながり、睡眠時間の長短は関係無かったとありました。p64です。 

睡眠時間と罹患率についての論文は、この時調べてなかったと思います。第一、保育園では最低2時間は昼寝します。

 

まったくもう!と思ったのでハッシュタグを作ってツイートしました。 #何でも母のせいにしがち っていうの。

 

https://twitter.com/twit350dpi/status/616523448051875841

https://twitter.com/muginugi/status/616556159114194944

 

ちょっと引いてみて客観的にならない?と提案したかったのと、自分で「また私は自分のせいだと思ってる。」って自覚して冷静になってみようよって伝えたかったんです。

 

 

このくらいに考えてほしい。

 

 

こんな考察も。なるほど。

 

 

 全く、四の五の言うけど手を貸さないなんてトンデモナイことだと思います。

 

https://twitter.com/er15i/status/616574181463842816

 

こういうスタンスがいいですね。

この後にも続々と投稿はあるけど、まとめた方がいるのでよかったら見てみて下さい。 

togetter.com

 

 

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