『新型コロナとワクチン知らないと不都合な真実』を読んで

峰宗太郎先生の本を読みました。

とてもわかり易く面白かったのでご紹介します。

編集Yさんこと山中浩之さんとTwitterでもおなじみの峰宗太郎先生の対談形式です。

ウイルスとは?ウイルス感染とは?免疫とは?という、そもそものところから峰先生が優しく易しく説明、しかし的確にポイントを理解することができます。

専門家ではない山中さんの正しい疑問とすばらしい理解力のおかげでわかりやすいんです。

 

私もワクチンの本を書きましたが、今はそこで説明した生ワクチンと不活化ワクチン、トキソイド以外にも続々と新しいタイプのワクチンが出てきています。

その部分が個人的に特によかったです。

www3.nhk.or.jp

新型コロナウイルスは各国、各社がいろいろな方法でワクチンを開発中です。生ワクチン、不活化ワクチン、VLPワクチン、組み換えタンパク質ワクチン、mRNAワクチン、DNAワクチン、ウイルスベクターワクチンが上↑の記事にあります。こういうのを読むとワクワクしませんか?

他にも現在、組み換えサブユニットワクチンというものがあります。新しい帯状疱疹ワクチンであるシングリックスがそれで、効果が高いためいずれ従来の水痘・帯状疱疹ワクチンに変わるのではないかと言われています。私のクリニックでも始めましたが、私はこういうのにワクワクします。ヒトを長い間苦しめてきた感染症に打ち克つ期待と希望を感じるからです。

ニュースを見ていると粗製濫造、日本での新型コロナウイルスワクチン導入は拙速じゃないか、つまり過程があまりに急で、効果と安全性を蔑ろにしているのではないかと思う人がいるでしょう。この本には、どのようにワクチンの効果を確かめ、安全性はどのように担保するかも書いてあります。とはいえ、通常ワクチンは発売後調査が出るものです。大規模な実施がされた後に、いろいろな報告がまとめて発表されるので、注視していきます。

 

ウイルス免疫学を専門とする峰先生の王道の話は本書を読んでみてください。漠然と不安に思う気持ちが、少し和らぐと思います。なにを恐れ、なにに注意したらいいかということがわかると闇雲に恐れなくていいですね。

 

巻末の方に、今まで出てきたデマや都市伝説が出てきて早くも懐かしかったです。

「検査をすれば患者さんは減る」

新型コロナウイルスは空飛ぶHIVだ」「お湯を飲めば防げる」「アオサが効く」「アビガンをみんな携帯して飲めばいい」「2週間後には東京はニューヨークのようになる」「日本人にはすでに集団免疫がついている」「ポビドンヨードで感染は抑えられる」「国民全員にPCRを」「空間除菌」…

あったねーと思いませんか?

私は吉村大阪府知事の会見で、初めはすばらしいリーダーだなと思っていたんだけれど、ポビドンヨードイソジン)を批判されても抗弁するのを見てあきれました。やっぱダメです。

その他、この本を読むとPCRでの陰性証明書がどうしてナンセンスなのか、防げる・治る・効くとはどういうことなのかということがわかります。

 

「健康・医療系はまともな本が本当に少ない」という小見出しがあります。

峰先生が一般書では空恐ろしいくらいまともな本がない、編集Yさんが「ワクチン」で検索すると岩田健太郎先生の本くらいしか、ちゃんとした本がないと言っています。いやいやあるんで。

room.rakuten.co.jp

これ↑は峰先生のオススメが載っているページですが、ここに私の本が2冊載っています。

ワクチン一般でもう少し知りたいなという方や育児について不安のある方は、手にとって見てください。