『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』を読んで

 

この本が発売になってから2020〜21年、日本は初の緊急事態宣言が出て以降、休校・休園や数々の自粛、ステイホームで家庭にも異変が多い年でした。

“コロナ離婚”という言葉ができたり、児童虐待の報告件数が増えたり、家庭の弱いところに歪みが出ているようです。

この本は、そんな歪みを直す手助けになる、著者の夫である劔樹人さんも言っているように「先人の知恵に学んで自分を見直す」本です。

 

新型コロナウイルスワクチン接種と感染者の対応に追われているうちに、ご紹介が遅くなってしまいました。これは2020年に頂いたものです。 

 

ヒトはずーっと何千年も夫婦関係があったはず。たぶん、ホモ・サピエンスになる前からコミュニティの最小単位は夫婦だったでしょう。

DM、ドメスティックバイオレンスモラルハラスメントという言葉がないときにも、カップルの関係に障壁や問題は存在していたはずです。

居心地が悪い、不満があるくらいのひどくなる前に介入できるとよりいいでしょう。

夫婦関係をより良くするためのワクチン、ヒント集のような本を作りたいと思うに至りました。

まさにワクチンのような本なので知っておけば、慌てずに冷静に問題解決にあたれそう。

 

以下、Amazonより。

序文
怒りっぽい私と自罰的な夫

第1章
いい話し合いにはルールが必要
「夫婦のコミュニケーション」編

第2章
傷ついた心と関係性はどう癒やす?
「不倫・浮気」編

第3章
家事に対する罪悪感を抱え続ける危険
「家事の分担」編

第4章
熟年期に愛情が続くかどうかの大切なポイント
「育児」編

第5章
意識をすり合わせ、相手の体のことを考える
不妊治療・セックスレス」編

第6章
5人に1人が精神疾患にかかる時代にできること
「パートナーの精神疾患」編

 

どれも当てはまらない夫婦がいるだろうか?というくらい網羅的ですね。

水谷さるころさんと野田真外さんのインタビュー部分、「話し合いだって練習すればできるようになる」「察してちゃん禁止」という具体的な方法はなるほどと思ったし、

そうするまでになったときの当事者の気持ち「キレる人がキレ続けるのって、キレても許してもらえるから」「(キレる側は)むしろこっちが被害者だという気持ちでいっぱい」というを読んで目から鱗が落ちました。

 

ヨウイチさんとマユさんのインタビュー部分では、「この世で一番ありがたいのは自分の健康とメンタルを気遣ってくれる人」とパートナーに感謝する部分、本当にそうです。

一番身近で、一番の味方になってくれる人なんだから、問題が生じたらなんとか納得の行く形にしてずっと一緒にいたいものです。

別れたって、新しい人と必ず問題が起こるんだから。

 

夫婦に限らず職場や友人関係など、人が二人以上いたらなにかしら困ったことになるでしょう。

これは、そういった問題を解決するのにとても役立つ具体策にあふれた本です。

関係をゼロにして新たに構築するよりも、うまくいくように工夫したほうがいい。

誰かと暮らしたり、誰かと仕事をしていたら読んでおくに越したことはない本。

お勧めです。